動物総合病院ユニベッツ福岡

猫の去勢

この記事のポイント


手術って怖い!?

手術、と聞くと怖い、痛い、という印象を持たれているかと思います。ユニベッツでは可能な限り痛みを小さく出来る方法や、麻酔をかける時間を可能な限りに短くする方法を選択し、動物に与える痛みや苦しみを小さくする努力を日々研鑚しています。痛みや苦しみを小さくすることを医療用語では「低侵襲医療」と呼び、ユニベッツにおける医療方針の大きな柱のひとつとなっています。

去勢手術そのものにかかる時間は5分~15分ほどです。手術を開始するための麻酔や、麻酔から覚める時間も含めると1時間ほどで終了します。その後、目が覚めていても完全には麻酔が抜けきらずフラフラすることはありますが、翌朝には元気に退院しています。

なぜ去勢手術?

去勢手術の目的は、オス猫の睾丸(精巣・精巣上体)を取り除き、繁殖能力を失わせることと、男性ホルモンの分泌を断つことです。去勢手術によって男性ホルモン(アンドロゲン)が引き起こす病気のリスクを格段に下げ、男性ホルモンによって起こる問題行動を減らすことができます。

去勢手術で予防できること

予防できる病気

去勢手術によって予防できる病気は以下のようなものがあります。

  • 精巣腫瘍
  • スタッドテイル

また、陰睾と呼ばれる「潜在精巣(停留精巣)」はお腹の中に睾丸が留まったまま、陰嚢に降りてこない状態ですが、そのままにしておくと将来腫瘍化(がん化)する可能性があります。早めに摘出手術をされることをおすすめします。また、これは遺伝病なので繁殖させてはいけません。


予防できる問題行動

病気の予防以外にも、以下のような男性ホルモンが引き起こす問題行動を抑制する効果が見られます。なお、去勢したから100%抑制できるものではないことをご理解ください。

  • 発情期の問題行動、鳴き声
  • マーキング、スプレー行動
  • マウンティング行為
  • 攻撃性
  • 放浪、脱走

外にでかける猫の場合、オス同士のケンカに巻き込まれるケースが減り、ケンカによる怪我や、猫エイズや猫伝染性白血病に感染する確率が下がります。

一方、去勢をすることにより起こり得るデメリットは次のようなものがあります。

  • 体重増加
  • 麻酔をかけることのリスク
  • 繁殖ができなくなる

去勢手術の事前検査

血液検査

麻酔をかけても問題がない体質かどうか、血液検査で血液や内臓の状態を診ます。

去勢手術:ユニベッツの手術室

小さな病院では獣医1名だけで、処置室などで手術用ガウンは使わずに簡易的に行う病院もありますが、ユニベッツでは正式な手術と同様に、術前に手術室前面を消毒し、手術用スリッパに履き替え、手術用スクラブ・ヘアキャップ・手術用マスクを装着し、執刀医は滅菌ガウン・グローブを装着し、術野に滅菌ドレープをかけ、厳重な衛生管理のもと、執刀医1名、麻酔医1名、外回り助手1名の計3名体制で手術します。
比較的簡単な手術だからといって慢心せず、何かアクシデントが発生しても、適切に対応がとれる体制を整えております。

地域猫の場合、去勢手術済みであることを表す、右耳先の「V字カット」も承ります。事前にお申し出ください。

術後の抜糸が不要な、吸収糸による「埋没縫合」も承ります。こちらも事前に申し出ください。

手術室は大きくガラス張りになっており、ビデオカメラも備えております。待合室から手術の様子をガラス越しやTVモニタでご覧いただけて、安心です。

症例

雑種 8か月 陰睾丸なし 室内飼い 猫3種ワクチン接種済み

事前検査

診察台での健康診断。体重3.0kg。特に問題なく、健康。心音も正常。おりこうさんです。

血液検査の結果は、アミラーゼの値が若干高いものの異常なし。猫エイズも伝染性白血病も陰性。

手術当日

朝から絶食絶水。健康状態も異常ないため、手術実施。

午前10時に来院いただき、お預かり。手術までに陰嚢周辺の毛を刈る。この子はおとなしいため無麻酔のままできました。

午後12時頃、食餌も飲水もしていないために皮下補液。

午後12時半、鎮静薬を投与してから5分後に気管挿管。麻酔開始。術野(陰嚢)の切開線を中心に丁寧に消毒。術野だけ露出するように滅菌ドレープ(覆布)をかける。

午後12時40分、手術開始。執刀医1名、麻酔医1名、外回り助手1名。メスと電気メスで5mmくらい切皮。切開線から睾丸を取り出し、輸精管を糸で結紮、切除。これを2回、左右それぞれの睾丸を摘出。

午後12時45分頃、縫合。麻酔オフ。手術終了。

午後1時15分頃、麻酔から覚醒。抜管。手術室から入院室へ移動。以後10分おきに出血と状態チェック。患部をなめないようにエリザエスカラーを装着。

午後5時頃、通常量の1/3の量の食事。完食。

手術2日目

朝食も完食。異常なし。午前11時頃、飼主様がお迎えに見えられ、退院。ご自宅でもエリザベスカラーはつけたまま生活していただきます。

手術10日目

経過良好。傷も塞がり、縫合糸を抜糸。エリザベスカラーも外し、終了です。

術後:去勢手術を終えたら

術後、ホルモンバランスの変化により体重増加が見られることがあります。食餌量を減らすか、去勢用のフードを与えることをおすすめします。

ユニベッツで去勢手術をされた方には退院時に、去勢用フードのサンプルをお渡しいたします。(ロイヤルカナン社・メールケア)ユニベッツ院内の飼育動物や、入院患者にも使っている、信頼性の高いペットフードです。

◆ユニベッツ福岡での猫の去勢費用(税別)

¥16,000
1泊2日の入院料・内服薬料・抜糸料込み

点滴料(必要な場合):3,000円~

事前検査
  初診料:1,800円(登録済みの場合、1,000円)
  血液検査:5,300~8,800円

ユニベッツ福岡での猫の去勢手術件数はこれまでで累計1,000件超。痛みも小さく、安心の設備、確かな技術。数多くのご家庭で、新しい家族と楽しく健康に生活できるサポートには、ありがたいことに高い評価をいただいております。

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