
手術症例
鼠径ヘルニア の症例
鼠径ヘルニアとは?
原因
鼠径ヘルニアは、後肢の付け根(鼠径部)にある腹壁のすき間が弱くなることで、 腸や脂肪、膀胱などの腹腔内臓器が皮下へ脱出することにより発生します。 先天的に腹壁が弱い場合と、加齢や妊娠、腹圧の上昇などによる後天的な原因があります。 特に雌犬に多い傾向が知られています。
症状
鼠径部や下腹部に柔らかい腫れがみられ、大きくなったり小さくなったりします。 臓器が出たまま戻らなくなる状態になると、痛みや食欲不振、元気消失などの全身症状が現れ、命に関わることもあります。
検査
触診により腫れの状態や内容物を確認し、必要に応じて超音波検査やレントゲン検査を行い、 脱出している内容物や嵌頓の有無を評価します。
治療
小さく症状がなければ経過観察することもありますが、 臓器が出たまま戻らない状態になると命に関わるため、外科的整復が根本治療となります。
症例紹介
動物種:チワワ
年齢:12歳
性別:避妊済みのメス
症状:下腹部の腫れ。小さくなったり大きくなったりする。
診断:鼠径ヘルニア
治療方針:鼠径輪の閉鎖
経過・予後:術後1ヶ月以上の経過観察で、再脱出などの問題は認められていません。
写真











