ユニベッツBLOG

犬の乳腺腫瘍・しこり

 

この記事のポイント


  • 手術以外の治療方法もある
  • できるだけ早く治療開始することで、回復も早く予後も良い
  • 手術後は、再発がないかよく観察する必要がある

犬の乳腺腫瘍の症状、検査方法、治療法

乳腺の腫瘍は、最初は乳首周辺に固いしこりのようなもので現れます。早期発見するには普段からよく犬のお腹を触ってあげることが重要です。避妊していない女の子に多い病気ですが、男の子でも発症することがあります。
そのままにしておくと次第に大きくなり、進行しすぎると腫瘍が皮膚を破って汁(滲出液)が出始めることがあります。こうなると匂いや汚れで生活に支障が出てくると思われます。転移の可能性がない良性腫瘍であっても、生活に支障があるならば手術を選択されることをおすすめします。

犬の乳腺腫瘍を除去する前後

症例 ダックスフント 14歳(推定) メス(未避妊)

主訴

1年以上前から乳腺腫瘍があり、自壊していた。腫瘍がかなり大きいため、すぐに手術せず、低温焼灼法で腫瘍を小さくしてから切除する方法を提案。

0日目

全身麻酔下にて、低温焼灼法を実施。腫瘍の基部に針を刺しての加熱を繰り返し、360度方向から全体的に腫瘍を焼灼。

1日目

焼灼した箇所が期待した通りに大きく腫れる。腫瘍の自壊した箇所も含めて、洗浄・消毒。自宅でも洗浄してもらうように指示。

4日目

前回より腫れが広がる。経過良好。焼灼した箇所が黒く変色し、腫瘍が壊死し始めたように見える。ところどころ化膿している。

17日目

腫瘍基部が黒く変色し、壊死している。狙い通りまでもう少し。

24日目

経過非常によく、腫瘍の中心は完全に脱落。一部表皮がつながったままで、腫瘍はぶら下がった状態に。大部分が脱落したため、腫瘍の体積は1/4ほどに大幅に減少した。

25日目

切除手術。腹部いっぱいに広がっていた腫瘍がなくなり、縫合も容易だった。

38日目

抜糸。傷跡も綺麗。2年間再発は見られず。

犬の乳腺腫瘍 術後

腫瘍の治療

腫瘍の治療には、いくつかの方法があります。

外科手術 リスク(中) 完治率(高) 治療期間(中)

大きく広がってしまう前に切り取ってしまう、摘出手術が腫瘍に対しての基本的な治療法になります。腫瘍がとれることで日常生活への支障が改善されることもあります。腫瘍の種類によりますが、周囲の正常な細胞を境界線として、腫瘍細胞全てを取り切れれば、再発する可能性はぐっと下がります。

多くは全身麻酔、まれに局所麻酔下で腫瘍を切除します。腫瘍ができた場所や種類、進行度によっては外科手術での切除が出来ない場合があります。
切除した腫瘍から病理検査もでき、良性か悪性かだけの検査だけでなく境界線が切り取れているか、転移の可能性はないか、も併せて検査できます。

炭酸ガス(CO2)レーザー:2017年より炭酸ガスレーザーを導入いたしました。従来の手術方法より、出血が少なく、傷の治りが早く、術後の漿液もたまりにくく、痛みの小さい切除をすることができます。

化学療法 リスク(中) 完治率(中) 治療期間(長)

いわゆる抗がん剤治療です。
乳腺腫瘍が肺などに転移している場合などで選択することがあります。

腫瘍の種類により薬剤が異なり、点滴で入れるタイプ、錠剤で飲むタイプなどあります。副作用も薬価もその薬剤によって大きく異なります。

温熱療法(低温焼灼法) リスク(低) 完治率(中) 治療期間(中)

外科手術、化学療法とも違う、新しいがん治療の方法です。

普通の外科手術では取ることができないと診断された腫瘍や、経過によっては手術より費用が抑えられる治療方法です。
腫瘍は正常な細胞より、熱に弱く壊れやすいという性質を持ちます。
熱を発する専用の針を腫瘍に刺し、熱を加えます。この時に設定する温度は、腫瘍にだけダメージを与え、正常な細胞には問題がない温度です。これにより、腫瘍だけが壊死します(腐れ落ちる)。全身麻酔下で行います。

レーザー治療 リスク(低) 完治率(中) 治療期間(短~長)

光であるレーザーを、がん治療に用いることができます。体表だけでなく、体の内部にまで作用することができる、半導体レーザー(ダイオードレーザー)を用います。

半導体レーザーが、 色素(血液・筋肉・メラニン等)にあたると、光のエネルギーが熱エネルギーに変換されます。この特性を利用して、低出力で体の内部にある腫瘍に照射したり、高出力で腫瘍を直接焼いたり焦がしたり、さまざまな方法を用いることができる特殊な装置です。

半導体レーザーは、以下のような使い分けができます。

高出力:レーザーの出力を高出力にして、熱エネルギーに変換し、メスのように腫瘍を切り取ったり、腫瘍を焦がして焼きつぶ(蒸散)したりして、腫瘍そのものを取り除く方法です。皮膚の良性のイボで、よくひっかけたりこすったりして出血が見られる場合などは、局所麻酔もしくは無麻酔で取り除きます。

低出力:低出力で患部に直接照射し、腫瘍をあたためる方法です。麻酔は必要ありません。腫瘍は熱に弱いという特性を利用します。腫瘍にだけダメージを与え、正常な細胞には問題がない温度を維持して、腫瘍の増殖を抑えます。一度の照射だけでは効果は望めず、定期的にレーザー照射治療に来院していただく必要があります。主に肺がんや膀胱がんなど、手術適応外で体内にある腫瘍に対して適用されます。

低出力照射では、腫瘍の治療の他にも、痛み(疼痛)をやわらげる(緩和)効果があります。腫瘍による痛みがある子が、レーザー治療をすると3日くらいは体が軽くなったように楽しく生活できるようになった、というお話をうかがうことがあります。低出力レーザーではがん治療だけでなく、QOLを改善する効果も見込めます。

穿刺:腫瘍にファイバーの先端を刺して、その先端からレーザーを照射し、腫瘍の中心からダメージを与える方法です。体表にできた腫瘍が対象になります。

他、レーザーを照射すると熱を生じる色素を腫瘍に打って治療する方法や、レーザーと組み合わせて、全身ではなくがんにだけ効果のある点滴で治療する方法など、半導体レーザーを利用した治療法は数多くあります。ご興味のある方は、ご来院いただくかお電話にてお問い合わせください。

細胞治療(CAT療法) リスク(低) 完治率(中) 治療期間(中)

血液中に含まれる免疫細胞(白血球)を取り出し、培養して増やし、点滴で増えた免疫細胞を取り入れて、がんと闘う力を高める治療法です。 自分自身の細胞を使うため、副作用がほとんどありません。

細胞治療だけでがんを根治することは困難で、原則として外科手術や化学療法との併用が前提となります。がんの進行を食い止めたり、がん治療後の再発防止、生活の質(QOL)を改善するといった目的で行います。

  免疫細胞療法(CAT療法)について、もっと詳しく

腫瘍の検査方法

触診 コスト(低) リスク(低)

診察台で、獣医が体を触り腫瘍の有無や状態、大きさなどを診ます。当然ながら、体の中にある腫瘍は探せませんし、良性か悪性かの判断も触診ではわかりません。

エコー検査、レントゲン検査、CT  コスト(中) リスク(低)

体の中様子を、超音波やX線を使って画像診断します。
悪性腫瘍が乳腺から肺などに転移していないかを診断します。

腫瘍を画像に映すことができれば、その大きさやできた場所などを調べることができます。極々小さいものや、場所によっては見つけられないこともあります。

生検、細胞診による病理検査  コスト(中) リスク(中)

見つけた腫瘍の一部もしくはすべてを取り出し、顕微鏡等で悪性か良性かや、どういった種類の腫瘍なのかなどを調べる方法です。 院内で簡易的に観察する方法と、外部の専門機関に依頼して詳しく調べる方法とがあります。
簡易的に針で採取する方法(FNA)や、メスなどで一部を切り取る生検、 外科手術によって周辺細胞ごと切除した腫瘍などから検査します。

腫瘍の治療後は、再発を防ぐことと、根治できない場合は完治を目指すのではなく、腫瘍と共に生き、出来る限りQOLを維持することを目的とします。

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