ユニベッツBLOG

犬のしこり・腫瘍・癌

 

 

この記事のポイント

  • 手術、抗がん剤、以外の治療方法もある
  • 取り切れない場合は、再発を抑える方法を選択する
  • 極力生活の質(QOL)が維持できる方法を選択する

ユニベッツには選択肢が多い

一口に「ガン治療」といっても、手術だけが治療法ではありません。

 ・ 手術ができない腫瘍だと言われた
 ・ 高齢だから/心臓が悪いから、麻酔がかけられない/かけるのが怖い
 ・ すすめられた治療法を試すためのお金が用意できない
 ・ どうしても長生きしてほしい
 ・ あきらめかけているけど痛みだけでも軽くしてあげたい・・・

それぞれの飼主様・ペットにはそれぞれ違った状況があって、様々な理由で治療に踏み切れなかった方も多いかと思います。

ワンちゃんの年齢・病態・腫瘍の進行度・腫瘍の場所・予算等々といった様々な条件がある中で、もっとも適切な選択ができるように、ユニベッツでは複数の治療法を用意しています。まずは腫瘍の状態を診察し、飼主様とじっくりご相談のうえで、ワンちゃんにとってベストで飼主様がご納得いただける治療方針を一緒に考えていきましょう。

 ■ 目次

  1. 症例
  2. 腫瘍の治療方法
  3. 腫瘍、がん、しこり、違いは?
  4. 良性と悪性の違いは?腫瘍をもっと詳しく
  5. まずはその"しこり"を検査しましょう
  6. まとめ

症例1

■ 肛門周囲腺癌

名前:タロちゃん
種類:トイプードル
年齢:11歳4カ月
性別:未去勢オス

主訴:お尻がただれている。

診断:肛門周囲腺腫・手術適応、潜在性睾丸あり

治療方針:肛門全周囲切除術、潜在性睾丸摘出術。

手術当日

朝から絶食絶水いただき、午前10時頃に来院。お預かりして点滴開始。術野である、肛門周辺と、陰嚢周辺と、潜在している睾丸周辺を毛刈り。

午後12時半から手術開始。先に去勢手術。10分で終了。体位変換し、肛門周囲手術。45分で終了。切除した腫瘤組織は病理検査に依頼。後日の報告で、悪性の肛門周囲腺癌との診断。

術後入院2週間。入院中、術創の治癒促進のためにレーザー照射処置。
はじめの3日間排尿不全のため、人工排尿処置。
どうしても便が垂れ続けるために、術創に付着してしまうため、1日2回肛門周囲の洗浄処置。

手術10日目(入院10日目)

術創の傷のつき具合が悪く、局所麻酔下で再縫合処置。引き続きレーザー治療を継続。

手術14日目(入院14日目)

退院。傷の洗浄は自宅でも行っていただきます。

手術24日目

再診。傷の状態キレイ。排便は散歩のときだけ出るようになった、とのこと。

手術34日目

再診。たまに排便がない日があるようになった。便をやわらかくするお薬を処方。

結果

診断の結果、残念なことに悪性腫瘍でしたが、周辺組織と一緒に綺麗に切り取ったため、術前に転移していなければ再発の可能性はぐっと低くなったと思われます。

今後は再発に気を付けていただきながら、経過観察してまいります。

症例2

■ 左前肢の神経線維肉腫

名前:パンコ
種類:MIX犬
年齢:10才0ヵ月
性別:未避妊メス

主訴:左前肢の肘にソフトボール大の腫瘍。自壊して汁や臭いが出てきた。ぐったりして元気がない。

診断:左前肢腫瘍、大きすぎてすぐに手術は不適応。貧血あり。

治療方針:温熱療法。輸血。

治療初日

麻酔をかけるため、朝から絶食絶水。10時頃来院。点滴開始。当院の供血犬から輸血可能か調べるために、クロスマッチ検査、問題なし。

午前11時頃、温熱療法開始。気管挿管して、全身麻酔。温熱針5本を腫瘍に5mm間隔で刺し、10分間加熱。加熱終了後はまた位置を変えて刺し直し加熱。合計で9方向から温熱治療を行った。

半日入院し、夕方には退院。

治療2日目

200ml輸血。傷処置。まだ変化ありません。

治療3日目

輸血してから元気になり、自分で立って歩くようになった。可視粘膜もピンク色。食欲もある。半日点滴。

治療4日目

食欲旺盛。半日点滴。

治療14日目

再診。漿液が多く出ている。痛がってはいるが、経過よいため、明日もう一度温熱療法実施。

治療15日目

絶食絶水、全身麻酔下で、温熱療法。

治療25日目

再診。痛みも小さくなり、腫瘍の大きさも減少。漿液の量も減っている。

治療27日目

随分傷も綺麗になり、自潰している箇所も貫通してきた。手術による切除を検討。

治療30日目

切除手術実施。朝から絶食絶水。腫瘍の体積も随分小さくなったため、切除も容易。傷は縫合せず開放して治療します。
切除した腫瘍を病理診断依頼。結果は、低グレードの神経線維肉腫。

治療37日目

再診。傷キレイ。肉芽が盛り上がって皮膚が再生しています。

治療44日目

再診。さらに傷が小さくなっています。一部組織が盛り上がってきている。腫瘍の再発の可能性あり。

治療70日目

傷はほとんど皮膚が再生しているが、盛り上がっていた箇所だけが上皮化せず、少しずつ大きくなってきているため、レーザー治療を実施。

レーザー光を吸収する色素を腫瘍に注射して、中程度出力のレーザー光を照射。腫瘍だけに熱を加えて、死滅させます。

治療100日目

腫瘍の大きさは1cmほどの大きさに。

結果

まだ完治した、とは言い難いですが、肘に大きくぶら下がっていた腫瘍がとれ、生活への支障がなくなりました。また大きな腫瘍が血液を奪い、貧血状態になっていたのも改善し、QOL(生活の質)は治療によって大きく改善したと見ることができます。

断脚を希望されなかったため、腫瘍はまだ奥に潜んでいますが、今後は再発しないかどうか、注意深く経過観察していきます。

症例3

■ 鼻腔内腫瘍(悪性リンパ腫)

名前:モモちゃん
種類:猫
年齢:10才0ヵ月
性別:避妊メス

主訴:鼻水とくしゃみが出る。くしゃみは1日2回くらい、庭には出る。

経過:FVR(猫ウイルス性鼻気管炎)の可能性も考えつつ、副鼻腔内腫瘍の疑い濃厚。腫瘍かどうかの生検を実施。

診断:悪性リンパ腫

治療方針:ICG修飾リポソームを用いた光線温熱化学療法

治療開始当日

午前10時頃来院。全身麻酔かけ、腫瘍にICG-リポソームを局所注射。点滴でもICG-リポソームを投与。日帰り入院。

2日目

レーザー照射治療開始、今後週3回レーザー治療します。併せて丸山ワクチン療法も開始、はじめの6週間は週3回。

おりこうさんです。レーザーで熱くなるのを多少嫌がりますが、させてくれます。

7日目

2回目のICG-リポソーム投与。前回と同様、局所注射と点滴、日帰り入院。

11日目

治療を続けているが、患部が腫れてきたことを飼主様心配される。1クール終了(3週間)まで治療がんばってみてから、判断します。

14日目

3回目のICG-リポソーム投与。生検した腫瘍の皮膚が壊死して脱落。ですが皮膚再生してきています。

61日目

最後の投与後、毎週レーザーと丸山ワクチンの治療を継続。調子よく、腫瘍で変形していた顔が元の形になりました。壊死した皮膚は一部脱毛したままのものの、皮膚は完全に再生しています。

82日目

寛解したとみて、治療終了。

結果

ICG-リポソームは、猫の副鼻腔内リンパ腫に対して、効果は著効であった、と言えます。
今後も、再発が見られないか、経過観察していきます。

症例4

■ 頭頂部の良性腫瘍

名前:ジェームス
種類:アメリカンコッカースパニエル
年齢:10才2カ月
性別:未去勢オス

主訴:3年前の初診時から既に頭頂部に腫瘍があった。他院にて良性腫瘍と診断あり、切除しなくていいと言われていた。しかし、少しずつ大きくなってきて、あちこちにぶつけたり、こすれたりするためによく出血している。切除を希望。ずっと心臓が悪く、全身麻酔不可。

治療方法:半導体レーザーによる腫瘍蒸散術。

治療開始当日

局所麻酔にて、半導体レーザーで蒸散処置。腫瘍が大き過ぎるため、2回に分けて実施することに。

3日目

局所麻酔して、半導体レーザーで処置。前回の蒸散で腫瘍の体積が小さくなっていたため、切除できました。

4日目

術創を消毒処置。自宅で処置ができないとのことで、2~3日ごとに通院で処置します。

73日目

完全に傷が塞がり、毛も生えました。治療終了です。

結果

良性腫瘍であっても、生活に支障が出る程度になってしまったら、切除した方がペットも生活しやすいでしょう。今回は腫瘍がかなり大きかったため、傷が塞がるのに時間がかかりました。早期に発見し、治療すればその分治療期間や治療費も小さくて済みます。

腫瘍の治療方法

外科手術 リスク(中) 完治率(高) 治療期間(中)

大きく広がってしまう前に切り取ってしまう、摘出手術が腫瘍に対しての基本的な治療法になります。腫瘍がとれることで日常生活への支障が改善されることもあります。腫瘍の種類によりますが、周囲の正常な細胞を境界線として、腫瘍細胞全てを取り切れれば、再発する可能性はぐっと下がります。

多くは全身麻酔、まれに局所麻酔下で腫瘍を切除します。腫瘍ができた場所や種類、進行度によっては外科手術での切除が出来ない場合があります。
切除した腫瘍から病理検査もでき、良性か悪性かだけの検査だけでなく境界線が切り取れているか、転移の可能性はないか、も併せて検査できます。

 適応症例 ― 症例1

炭酸ガス(CO2)レーザー手術

2017年より炭酸ガスレーザーを導入いたしました。従来のメスを使った手術方法より、数多くのメリットがあります。

 ・出血が少ない
 ・傷の治りが早い
 ・術後の漿液がたまりにくい

術中、術後、予後を通して、従来の手術よりも痛みの小さい切除手術をすることができます。

化学療法 リスク(中) 完治率(中) 治療期間(長)

いわゆる抗がん剤治療です。外科手術後の再発防止や、外科手術で治療できないリンパ腫や肥満細胞腫などで選択することがあります。
腫瘍の種類により薬剤が異なり、点滴で入れるタイプ、錠剤で飲むタイプなどあります。副作用も薬価もその薬剤によって大きく異なりますが、比較的高額になりがちです。
腫瘍細胞の分子だけを攻撃し、副作用が小さい「分子標的薬」での治療も一部行っております。

温熱療法(低温焼灼法) リスク(低) 完治率(中) 治療期間(中)

外科手術、化学療法とも違う、新しいがん治療の方法です。

普通の外科手術では取ることができないと診断された腫瘍や、経過によっては手術より費用が抑えられる治療方法です。
腫瘍は正常な細胞より、熱に弱く壊れやすいという性質を持ちます。
熱を発する専用の針を腫瘍に刺し、熱を加えます。この時に設定する温度は、腫瘍にだけダメージを与え、正常な細胞には問題がない温度です。これにより、腫瘍だけが壊死します(腐れ落ちる)。全身麻酔下で行います。

  ユニベッツ福岡での乳腺腺腫瘍における「低温焼灼法」の症例

  適応症例 ― 症例2

半導体レーザー治療 リスク(低) 完治率(中) 治療期間(短~長)

光であるレーザーを、がん治療に用いることができます。体表だけでなく、体の内部にまで作用することができる、半導体レーザー(ダイオードレーザー)を用います。

半導体レーザーの特長として、レーザー光が色素(血液・筋肉・メラニン等)にあたると、光のエネルギーが熱エネルギーに変換されます。この特性を利用して、低出力で体の内部にある腫瘍に照射したり、高出力で腫瘍を直接焼いたり焦がしたり、さまざまな方法を用いることができる特殊な装置です。

半導体レーザーでの腫瘍蒸散術、切除術

半導体レーザーの出力を高出力にして、熱エネルギーに変換し、メスのように腫瘍を切り取ったり、腫瘍を焦がして焼きつぶ(蒸散)したりして、腫瘍そのものを取り除く方法です。皮膚の良性のイボで、よくひっかけたりこすったりして出血が見られる場合などは、局所麻酔もしくは無麻酔で取り除きます。

 適応症例 ― 症例4

ハイパーマイルドサーミア

半導体レーザーを低出力で患部に直接照射し、腫瘍をあたためる方法です。麻酔は必要ありません。

腫瘍は熱に弱いという特性を利用します。半導体レーザー光を腫瘍に当てて一定のあたたかい程度の温度を維持します。すると、腫瘍だけダメージを受け、正常な細胞には何の影響もありません。あたためられることで腫瘍はダメージを受け、これ以上増殖するのを抑えます。
一度の照射だけでは効果は望めず、定期的にレーザー照射治療に来院していただく必要があります。主に肺がんや膀胱がんなど、手術適応外で体内にある腫瘍に対して適用されます。

半導体レーザーの低出力照射では、腫瘍の治療の他にも、痛み(疼痛)をやわらげる(緩和)効果があります。
腫瘍による痛みがある子が、レーザー治療をすると3日くらいは体が軽くなったように楽しく生活できるようになった、というお話をうかがうことがあります。ハイパーマイルドサーミアではがん治療だけでなく、QOLを改善する効果も見込めます。

レーザーサーミア

腫瘍にレーザーファイバーの先端を刺して、その先端からレーザーを照射し、腫瘍の中心からダメージを与える方法です。体表にできた腫瘍が対象になります。

ICG併用レーザーサーミア

ICG(インドシアニングリーン)は特殊な医療用色素で、緑色をしています。ICGはレーザー光によく反応するという特徴を持ち、レーザーサーミアの際にICGを腫瘍に注入してからレーザー照射をすると、より高い効果が得られるという研究結果が報告されています。

ICG修飾リポソーム治療

通常の1/10の量の抗がん剤を内包したリポソーム(ごく小さな気泡状のカプセル)とICGとを結び付けて、静脈点滴で投与すると、全身の血管を巡ったあとに腫瘍に集まります。ここにレーザーを照射するとリポソームの膜が弾けて、腫瘍部位にだけ抗がん剤が作用する、という新しい治療法です。
まだ研究段階ですが、抗がん剤による副作用も小さく、腫瘍に特異的で高い効果が得られています。

 ユニベッツ福岡でのICG修飾リポソームを用いた光線温熱化学療法

 適応症例 ― 症例3

他にも半導体レーザーを利用した治療法は数多くあります。ご興味のある方は、ご来院いただくかお電話にてお問い合わせください。

 イボ蒸散処置・局所麻酔:5,000円~
 ハイパーマイルドサーミア法:2,000円/回

細胞治療(CAT療法) リスク(低) 完治率(中) 治療期間(中)

血液中に含まれる免疫細胞(白血球)を取り出し、培養して増やし、増えた免疫細胞を点滴で取り入れて、がんと闘う力を高める治療法です。 自分自身の細胞を使うため、副作用がほとんどありません。

細胞治療だけでがんを根治することは困難で、進行を食い止めたりがん治療後の再発防止、生活の質(QOL)を改善する、目的で行います。

  免疫細胞療法(CAT療法・DC-CAT療法・KC療法)について、もっと詳しく

細胞治療(KC療法) リスク(低) 完治率(中) 治療期間(中)

CAT療法では、リンパ球全体を増やし、その中に含まれるCATを活性化して体内に戻す方法で、主にQOLの改善を目的とします。
一方、新しい細胞治療である「KC療法」は、リンパ球に含まれる「キラー細胞(ナチュラルキラー細胞・NK細胞・KCとも)」を増殖させ、体内に戻す方法です。ナチュラルキラー細胞とは、生まれながらの殺し屋、という意味で、体内を循環していて異物を見つけ次第全て破壊する免疫細胞です。体外から侵入する病原体はもとより、体内で現れる新生物(がん細胞)も破壊します。

初期のがんや、手術後の再発予防に高い効果が得られます。一方、末期がんの患者さんには効果を得るのは難しいとされています。

腫瘍、がん、しこり、違いは?

 からだにできた、何かのできもの。手に触れてコリコリするものは、俗にしこりと呼びますね。体表にあるしこり、もしくは体の中にエコーなどで見える何かができている影、これを医療用語では大きいものを「腫瘤(しゅりゅう)」、小さいものを「結節」と呼びます。

 一方「腫瘍(しゅよう)」は、異常に増殖するようになった細胞の病気です。腫瘤や結節の状態で、体の内部や表面にできます。腫瘤は検査しないと、それが腫瘍かどうかは判断できません。

 「がん」と呼ばれるものは、腫瘍の中でも危険度の高い「悪性腫瘍」と呼ばれるものを指します。正常な細胞を破壊して増え続け、生命を脅かします。

 腫瘍の中には「良性腫瘍」と呼ばれる、体の中の細胞を破壊しないタイプもあります。良性と呼ばれますが、体にとって良いことをしてくれるわけではなく、良性腫瘍ができた場所や大きさによっては普段の生活や生命活動に支障が出ることがあります。

良性と悪性の違いは?腫瘍をもっと詳しく

腫瘍とは、「腫」は「はれる」、「瘍」は「できもの」という意味の漢字で、何らかの原因で遺伝子が変化した細胞が、正常でない増え方をして塊となったものです。血液も含めた体のあらゆる場所で発生する可能性がある「新生物」と言われるものです。

腫瘍には、良性のものと悪性のものがあります。
悪性腫瘍は、周囲の器官に広がっていく「浸潤」や、血液・リンパ液に入り込みそこから別の臓器に飛び移って広がらせていく「転移」などで、全身にわたって増えていく腫瘍のことです。腫瘍そのものが悪さをするだけでなく、全身に渡って体を破壊していく恐ろしいものです。

一方良性腫瘍は、「浸潤」や「転移」をせず、ある程度大きくなると成長が止まります。悪性腫瘍のように他の器官や臓器を破壊することはありませんが、できる場所によっては生活に支障が出たり他の器官や臓器に悪影響を及ぼすこともあり、その場合は手術等の治療が必要となります。

皮膚や粘膜、内臓や骨、筋肉、脳、血液など全身のあらゆる場所で発生する可能性がある腫瘍ですが、良性か悪性か調べる方法は、その腫瘍細胞を取り出して検査する必要があります。

まずはその”しこり”を検査しましょう

今あるしこりや腫瘤がどういうものなのかを検査しましょう。治療した方がよいのか、治療するならばどのような治療方法が適応か、治療しなければどうなってしまうのか、が検査の結果によってわかってきます。

触診 コスト(低) リスク(低)

診察台で、獣医が体を触り腫瘍の有無や状態、大きさなどを診ます。当然ながら、体の中にある腫瘍は探せませんし、良性か悪性かの判断も触診ではわかりません。

エコー検査、レントゲン検査、CT コスト(低~中) リスク(低)

体の中様子を、超音波やX線を使って画像診断します。腫瘍を画像に映すことができれば、その大きさやできた場所などを調べることができます。極々小さいものや、場所によっては見つけられないこともあります。触診同様、良性か悪性かの判断はできません。

生検、細胞診による病理検査 コスト(中) リスク(中)

見つけた腫瘍の一部もしくはすべてを取り出し、顕微鏡等で悪性か良性かや、どういった種類の腫瘍なのか、などを調べる方法です。
院内で簡易的に観察する方法と、外部の専門機関に依頼して詳しく調べる方法とがあります。簡易的に針で採取する方法(FNA)や、メスなどで一部を切り取る生検、外科手術によって周辺細胞ごと切除した腫瘍、などから検査します。

まとめ

 これまで読んでいただいた通り、腫瘍はすべて簡単に切除できるものでもなく、切除しない方がよいものもありますし、切除できた後も治療や経過観察が必要となります。

 少し考え方を変えてみて、何も腫瘍をすべて根絶しないといけない、という考えを改めてみるのもどうでしょうか。

 腫瘍も生き物です。宿主である動物が生きていなければ、腫瘍も生きていけません。腫瘍がこれ以上悪さをするのを抑えてもらって、ペットの生活に支障がない範囲で共存して寿命をまっとうする、というのも一つの考えかもしれません。腫瘍による不快感や痛み、生活への支障を取り除いてあげて、出来る限りペットのQOLを維持することを目的としていきましょう。

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