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犬の嘔吐

 

この記事のポイント


  • 吐いたものが、赤や茶色だったら危険
  • 嘔吐のあと、様子がいつもと違ったら注意
  • 繰り返し吐くようだったら、病気や異物誤飲の可能性あり

犬の嘔吐の原因、症状、治療法

二足歩行の人間は、直立している状態だと、口から食道、胃が地面に対して垂直です。一方、四足歩行の動物たちは直立するとこれが真横に近い角度になっています。人間に比べると犬は吐きやすい構造になっていることがわかります。野生下での母犬は、食べ物を吐き戻して子犬に分け与えたりします。

ですが、吐出や嘔吐には重大な病気が隠されていることがしばしばあります。吐いている様子や頻度、吐瀉物の内容など、よく観察しましょう。

口から吐き出す行為には「吐出(としゅつ)」と「嘔吐(おうと)」の2種類あります。「吐出」とは、口から食べたものが、胃に到達する前に吐き出されることを言います。嘔吐との違いは、内容物が未消化であること、食べて数分後に吐き出されること、吐いてすぐに食べようとする、点があります。

では「吐出」だったら問題はないのでしょうか。
食べては吐出を繰り返す、食事のあとに吐出するのが週に何度かある、などあると巨大食道症、食道狭窄、異物誤飲、嚥下困難などの病気が隠れている可能性があります。

胃の中の消化物や、胃液を吐き出す「嘔吐」はどうでしょうか。
嘔吐には様々な原因が考えられます。中には一過性のもので危険性が低いこともあります。獣医が検査・診断するうえで重要な情報になるのでよく観察してください。

症状

特に危険性が高いと思われる症状は以下になります。この中でひとつでも当てはまる場合は動物病院に連れてきたほうがよいでしょう。

  • ぐったりとして元気がない、苦しそう、痛そう
  • 繰り返し嘔吐する
  • 吐瀉物に血液が混じっていたり、色が茶色だったりする
  • 吐瀉物の匂いが異常に臭い
  • 嘔吐とあわせて下痢も見られる

原因

嘔吐が見られる原因として次のようなものが推測されます。

緊急性があるもの

これらは命に関わるものになりますので、速やかに動物病院を受診してください。

  • 毒物・薬物や毒を含むものを誤飲誤食した(中毒)
  • おもちゃ等の異物を誤飲して、胃や腸が詰まった
  • パルボウィルス等の感染症
  • 胃や腸の捻転(ねじれ)や閉塞(つまり)
  • 子宮蓄膿症
  • 熱中症

内臓の疾患

  • 胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢などの炎症や腫瘍
  • 腎臓の機能障害(腎不全)など

慢性的な原因

  • 食物アレルギー
  • 内分泌(ホルモン)の疾患
  • 慢性的な便秘

危険性の低いもの

  • 空腹などが原因で、たまった胃液を吐き出した
  • 胃にたまった毛玉を吐き出した

吐いた後に、ケロっとしていて元気が戻るようであれば、多くは問題がないでしょう。

病院に連れてきたら

吐瀉物(吐いたもの)をご持参ください。内容物や状態、匂いなどが、緊急性の判断や診断の推測に役立ちます。

病院としてもできるだけ飼主様の経済的負担が小さい検査や処置、治療方法を選択いたします。重大な病気でない場合には、吐き気を軽くするお薬の処方、脱水症状を防ぐための皮下点滴、胃内異物を麻酔をかけずに吐き出させる催吐処置などで、対応いたします。

正しい診断に至るまでには、情報の質と量が重要です。嘔吐に至るまでの状態や状況、それまでの食欲や異物誤飲の可能性、どういった異物の可能性があるか、排便や排尿、体重増減の推移など、診察の際に詳しくお答えいただけるように準備いただけると、金額的にも適切な診断と処置が行えます。

検査

嘔吐で来院された場合、ユニベッツでは次のような検査をすることが可能です。

すべての検査をする必要はありません。獣医は診察の中で、ある程度疑われる病気をいくつか推測します。その推測された病気をひとつひとつ確認していくことが、検査という作業です。確認がしやすい病気もあれば、そうでない難しい病気もあります。

どの検査が必要か、どこまで時間とお金をかけていくかは、獣医と飼主様とで決めていきます。費用に不安がある方は、事前にその旨をお伝えください。飼主様のご用意の中で、できうる検査と処置を一緒に決めていきましょう。

血液検査

血液の状態や、血液に含まれる酵素や電解質等の数値を見ます。血液の中にはからだの中に関する様々な情報が含まれており、動物の体調を把握するのに重要な検査のひとつです。

特殊な検査の方法として、血液中に含まれるウィルスやそれに対する抗体(免疫)を調べて、感染症でないか検査することがあります。

超音波検査やレントゲン検査

体の内部を、レントゲンや超音波(エコー)を使って画像診断します。これらは体を傷つけることなくできる検査で、画像を目で見て判断できるためよく選択される方法です。麻酔は必要ありません。

異物がある場合、レントゲンやエコーで写りやすいものと、そうでないものがあります。

バリウム検査

胃や腸内に異物が疑われる場合、バリウムという白い液体の薬剤を飲ませレントゲンで消化管に異物がないか検査することがあります。 飲ませてから数十分~数時間おきにレントゲン撮影するため、半日ほど検査入院することになります。

生検(バイオプシー)

腫瘍や炎症が疑われる臓器のごく一部を切り取り、専門機関に検査依頼して、その臓器の状態を調べる検査です。内視鏡、腹腔鏡、開腹手術など、臓器の場所に応じて方法は判断します。いずれも麻酔をかけます。日帰り~数日間の入院となります。

内視鏡

口からカメラを入れて胃の幽門部まで状態を観察、異物を取り出したり胃壁の一部を切り取る生検をすることができます。 内視鏡では、胃内異物を取り出すには限界があります。大きなもの、つかめないものなどが見つかった場合には、開腹手術に切り替えます。内視鏡検査には麻酔が必要です。

試験開腹

動物の状態が重度で、なおかつ原因が特定できない場合、麻酔下でお腹を開けて、各臓器の状態を手術で触って目で見て検査することがあります。 多くの場合は原因が特定でき、そのまま治療のための手術や原因を特定するための生検などを行います。

どのような嘔吐でも、体の中のものを本来出ないところから吐き出すので、脱水状態になることが多いです。そうなると動物も具合が悪く、病態が悪化する可能性もあるため、多くの場合、静脈や皮下での補液点滴が必要となります。

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